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二首一組で選をしました。星・夕ぐれ・厨・空間把握・病い。
星ひとつ見えない空の果てにあるりゅう座やへびつかい座のことを
貝澤駿一
星が星を呼ぶ声青くこだましてかぐわしきかな真夏の星座
中津昌子
巨 - ヤ戦を点ければそらは博多よりだいぶ焼けててとおい東京
東山研司
車窓には今日の夕ぐれまだわれに時のうつろい残されている
遠藤由季
殻を剝けば白身に黄身が透けていてここが一番熱かった部分
川島結佳子
煮崩れた箇所から味が染みていく 本性を知りたくて揺さぶる
御糸さち
炉畳を閉じてはつなつ茶室には立方体の暗闇がある
大熊あい子
幾重にもなりたるいのちの複雑を覗き込むとき薔薇は遠かり
浦河奈々
「うつかりでも絶対に目をこすらない」それは無理だらう定義によりて
寺井淳
もう二度と〈腹くちる〉こと無いままに臓器を失くしたお腹を撫でる
五十嵐満
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